工場に付き物と言えば、ブリッジクレーン。
まあそうとも限りませんが、取り付けるケースが多いです。クレーンといっても固定式、ジブ、走行ブリッジなどあり、ブリッジでもトップラン(ブリッジがレールの上を走る)またはアンダーハング(屋根構造から吊り下げたレールにぶら下がり走る)があります。ある程度の抑揚加重が必要ならトップランとなるでしょう。
クレーン設置に関しまず必要なことは?走行エリアの確保が必要です。クレーンを囲う建物がクレーン走行エリアの邪魔にならないのはもっともですが、吊り下げる電灯、エアダクト、吸気排気ファン、スプリンクラー配管、ガスヒーターなど走行エリアに飛び出してくる物は沢山あります。生産機器を避けるのも非常に大事です。
またクレーンを入れる際、生産機器の設置や工場内動線なども考慮するのですが、柱の大きさ、またはクレーンを支持する柱が必要か分からぬまま大体の大きさで計画すると建物の大きさが1メートル、2メートルと足りなくなったりします。特にメタルビルではモーメント構造の為、柱の奥行きが大きくなりリジッドフレームの3倍位の奥行きになったりするかもしれません。建設途中で建物を1メートル引き伸ばすのは容易では無いですから、寸法に関しては早めの調整が必要です。
尚10トンくらいまでは、建物の柱からブラケットを出してクレーンも支えますが、それより大きくなるとクレーン用に別の柱が必要になるでしょう。またその柱間に追加ブレース(筋交い)が必要となるかもしれません。動線や増築予定エリアで邪魔にならぬよう注意が必要です。
それからグレードを決めるのですが、あまりクレーンに関し詳しくない人は購入クレーンがCMAAクラスCであれば大丈夫でしょう。なぜなら「詳しくない=生産に与える影響が少ない」でクラスCであれば普通に使うのに十分となるからです。AやBのように滅多に使わないクレーンではなく、DやFのように年がら年中走ってるクレーンではないからです。でも値段は違ってきますので、購入前はCMAAクラスについてある程度は知識はあった方が良いでしょう。
それから走行スピードや抑揚スピードを決めます。これもクレーン走行が生産速度に影響しなければ、普通のスピードとなります。これも決めなければ、一応必要なモーターが取り付けられ、普通のスピードで動きます。安いのにモーターが大きくて速いのはありませんので、良く使うクレーンならスピードを上げるのも1つの生産時間短縮に繋がるかもしれません。スピード調整はブリッジのみ無限変速可能が普通です。それは安全の為そうなってるのですが、トローリーやホイストは何も要求しなければ2速でしょう。
そしてコントロールですが、ケーブル操作より自由にオペレーターが動き回るにはラジコン操作になります。全体からみれば少ない増額なので、操作性を考えラジコンかリモコンの選択が必要です。
オプションではその他にメンテ用のデッキ、デッキまでの梯子、影をなくす為の追加電灯、警報、ストロボ、方向サイン、自動減速機、スプリングバンパー等値段が上がる要素はいくつもあるので購入の際しっかり確認すれば末永く満足のいくクレーン購入となるでしょう。
あと設置ですが、ボルトの緩みや溶接し忘れ、また平行、水平などが規定許容内に収まらないレールの取り付けなど実際あります。それが原因で車輪のひどい磨耗や脱線、最悪のケースではクレーンが転落する場合もあります。
また余談ですが、アメリカのトンは日本(メーター法)のトンと違うので、お気を付けを。30トン、40トンとなると実質重量はかなり違ってきます。
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