2010年5月7日金曜日

簡単にLEEDがわかる

LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)の紹介

まず建物がLEED Goldとか言うのを聞いた事があるかもしれません。LEEDは建物の環境対応レベルを第3者が採点するシステムで運営とLEED承認を行うのはUSGBC(US Green Building Council)です。採点の点数によりPlatinum、Gold、Silver、Certifiedとなります。Platinumが一番いい訳です。
採点システムで基準が決まっている為一つ一つの項目を満足すれば点数は上がっていきます。だからそれぞれの状況に合わせてうまく攻略していけば点数は上がります。また闇雲に省エネ製品を揃えても出費ばかりが増えて点数は上がらないという事にもなりかねません。だから効率的に点数を上げることは重要です。
細かい点数加算の仕組みはLEED AP(Accredited Professional)の人に聞く、又はUSGBCのウェブサイトなどで調べれば良いですが、簡単に理解する為LEEDで点数の加算になるグループの説明をします。

Sustainable Siteサステナブル・サイト(14点)持続性のある土地という事ですが、周りの環境を破壊しない、また環境保護を応援するような土地。
通勤に便利で低公害通勤をサポートする施設が整ってる、土地の再利用をしてる、ミクロでの自然環境への負担軽減(雨水排出、照明公害、そしてヒートアイランド現象の低減、また湿地や自然保護エリアへの影響低減)をしてる。
Water Efficiency水利用の低減(5点)
水道水を使わないまたは使用を減らす植栽、また水道水の使用が少ない水道機器の設置。
Energy & Atmosphere省エネと大気汚染の軽減(17点)
省エネ機器の設置により電力使用を軽減、オゾン層破壊原因の物質を試用しないこと、そしてグリーンエネルギー(風力発電など)から電気の供給を得る事。
Material & Resources材料と資源(13点)
リサイクル資源や既存資材の活用、工事中の廃棄物の有効活用、資材の運搬距離の低減、環境負担の少ない原材料の活用など。
Indoor Environmental Quality室内の環境(15点)
室内の空気、光、温度、そして景色が室内の人にとって健康的で心地良い状態となってる事。
Innovation & Design Process新しい取り組み(5点)
新しい製品の採用や画期的なデザイン又は工法でLEED基準より優れた結果を出したり、LEED APをプロジェクトチームの一員にしする事。

以上のように環境保護でありつつ、中で建物を使用する人がより快適に過ごせるようにバランスを取ってます。またここがミソですが、点数レベルがプラチナ、ゴールド等でステータスや注目度に直接結びつく為お金と努力が注ぎ込まれます。点数の高い建物は雑誌などでも紹介される頻度が上がります。
建物1つ1つはまさにミクロな環境保護と言えますが、建物が地球上1/3のエネルギー、2/3の電力そして1/5の水資源を消費してる事実を考えれば建物建設の流れを基準付けるLEEDは環境保護にとって意味あるものです。

2010年4月28日水曜日

スラブ床の平滑度・平坦度 FFとFL

コンクリートスラブ平滑度・平坦度の基準
平滑度・平坦度は分かるようで分からないもので、たびたび論争または訴訟の対象にもなる重要な品質管理項目です。
アメリカでは一応分かりやすく、FFとFLの数値で標準を決めてます。
また典型的なゼネコンのプロポーザルにもSuperflat Slabは除外と項目に記載されてたりします。でもどの程度がSuperなのか、そして何処まで凸凹だったら品質管理が悪い、または手抜き工事となるのでしょうか?
当然平らにすればするほどコストがかかります。Superは普通の倉庫スラブに比べ1.5倍から2倍のコストになります。施主からすれば凸凹、業者からすれば普通、という事で事前に両者がしっかり理解していないと後々まで不合意のままとなるかもしれません。
FFとFLの理解をするために、まずは標準から。
平滑度(Flatness-FF)と平坦度(Levelness -FL)の数字と大体の用途はACI(American Concrete Institute)によって定義されてます。ACIによると全体の床のレベルは19mm以内である事(メタルデッキ上や支えを取り除いた後スラブは除く)が前提です。その上でFF20位の「重要でない床(上げ床の下等)」からFF50以上の「スーパーフラット(映画スタジオ等)」まである程度の指針を表示、そしてテストの条件などが記載されてます。テストの仕方はASTM(American Society of Testing and Materials)の標準1155に沿って行います。ASTMでは検査方法、用いて良い器具、また計算の仕方など明細に書かれてますが、検査はほぼFACE社の測定器具を使って行われます。FACEの器具では計測・計算・結果表示が自動に近い状態で行われ、最終的なFF/FL値が測定と同時に出てきます。ただ検査をする場所またはルートはASTMに従い責任者がそれぞれの状況に合わせて決める必要があります。またフォークリフトの通路などが分かっていれば車輪の走行位置に合わせ検査をするという条件も出来ます。
もしスーパーフラットスラブが施設にとって重要であるならば位置を明確に、そしてFF/FLの数字も明確に契約しておけば施主にとっても満足のいくスラブを手に入れることができるでしょう。コストの上昇の原因は主に人工の手間賃で型枠や仕上げにかかる時間や細かい打設割付でのコスト上昇、それと検査費用、場合によっては鉄筋の追加やコンサルタント費用などが挙げられます。
最後に、もし明確な契約をしてもテスト結果が満たない場合はどうするか。部分的に満たない場合は表面を削り平らにして補修するのが一般的ですが、広範囲または全体にわたり結果が思わしくない場合はスラブ打ち直し、または金銭的な解決、等と施主と業者の間の合意で解決されます。こちらはACIやASTMでも定義はしてません。

CDT って何?

CDTとは
CDTはConstruction Document Technologistの頭文字を取った略です。
CDTは資格であり、CSI(Construction Specification Institute)が承認するものです。
CSI及びCDTについてはウェブサイト(csinet.org)にて詳しく調べる事はできますが、CSIの一番主な役割は「建築・建設業界においての情報管理を進歩させる事により建物の性能を向上させる事」です。
具体的には建築建設業界のプロが会員制で参加して運営されてる事、その上で業界標準(スタンダード)や書式(フォーム)を作成していく事、そして資格制度や教育により建築・建設関係のプロ達のプロジェクト遂行能率を上げることです。実質、アメリカにおけるほぼ全ての建設書類はCSIによる標準が使われてます。
CSIには4つの資格があり、CDTはその中で基本となる資格です。
CDTは他3つの基礎となり、CDTを取得した資格者はそれぞれの専門分野によって、CCS(Certified Construction Specifier)、CCCA(Certified Construction Contract Administrator)、CCRP(Certified Construction Product Representative)を取得する場合もあります。
CDT資格者は以下の知識があるとみなされます。
建設の手順
契約の種類
変更や代用の手順
契約の関係
権利、責務、責任
契約の条項
建設書類の関係や構成
建設に関する書類の利用
書式の構成
建設書類の理解
資格を得るには試験に合格するだけで良いです。