2010年4月28日水曜日

スラブ床の平滑度・平坦度 FFとFL

コンクリートスラブ平滑度・平坦度の基準
平滑度・平坦度は分かるようで分からないもので、たびたび論争または訴訟の対象にもなる重要な品質管理項目です。
アメリカでは一応分かりやすく、FFとFLの数値で標準を決めてます。
また典型的なゼネコンのプロポーザルにもSuperflat Slabは除外と項目に記載されてたりします。でもどの程度がSuperなのか、そして何処まで凸凹だったら品質管理が悪い、または手抜き工事となるのでしょうか?
当然平らにすればするほどコストがかかります。Superは普通の倉庫スラブに比べ1.5倍から2倍のコストになります。施主からすれば凸凹、業者からすれば普通、という事で事前に両者がしっかり理解していないと後々まで不合意のままとなるかもしれません。
FFとFLの理解をするために、まずは標準から。
平滑度(Flatness-FF)と平坦度(Levelness -FL)の数字と大体の用途はACI(American Concrete Institute)によって定義されてます。ACIによると全体の床のレベルは19mm以内である事(メタルデッキ上や支えを取り除いた後スラブは除く)が前提です。その上でFF20位の「重要でない床(上げ床の下等)」からFF50以上の「スーパーフラット(映画スタジオ等)」まである程度の指針を表示、そしてテストの条件などが記載されてます。テストの仕方はASTM(American Society of Testing and Materials)の標準1155に沿って行います。ASTMでは検査方法、用いて良い器具、また計算の仕方など明細に書かれてますが、検査はほぼFACE社の測定器具を使って行われます。FACEの器具では計測・計算・結果表示が自動に近い状態で行われ、最終的なFF/FL値が測定と同時に出てきます。ただ検査をする場所またはルートはASTMに従い責任者がそれぞれの状況に合わせて決める必要があります。またフォークリフトの通路などが分かっていれば車輪の走行位置に合わせ検査をするという条件も出来ます。
もしスーパーフラットスラブが施設にとって重要であるならば位置を明確に、そしてFF/FLの数字も明確に契約しておけば施主にとっても満足のいくスラブを手に入れることができるでしょう。コストの上昇の原因は主に人工の手間賃で型枠や仕上げにかかる時間や細かい打設割付でのコスト上昇、それと検査費用、場合によっては鉄筋の追加やコンサルタント費用などが挙げられます。
最後に、もし明確な契約をしてもテスト結果が満たない場合はどうするか。部分的に満たない場合は表面を削り平らにして補修するのが一般的ですが、広範囲または全体にわたり結果が思わしくない場合はスラブ打ち直し、または金銭的な解決、等と施主と業者の間の合意で解決されます。こちらはACIやASTMでも定義はしてません。

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